平成12年10月21日(土)、日本海に面した津軽半島の北端付近に位置する市浦村十三湊遺跡で現地説明会が開催されました。時々、雨の降る中、青森県内外から40名ほどの考古学研究者や考古学ファンが訪れ、熱心に見学していました。
この中で、最も注目されたのは、青森県教育委員会が調査を担当している中世の港湾施設が発見された地区です。前潟から約100m離れた地点の地下約2mから発見されました。下の写真でもお分かりのように、調査区には矢板が全面に打たれ、この矢板の西端のすぐ傍から発見されました。矢板の打ち込む位置が東に50cmずれていたら、発見されなかったでしょう!調査員の眼力に甲を脱ぎます。遺跡の発掘調査には、このような偶然が付き物ですが、ここまで調査地点を絞り込んだ綿密な調査計画に拍手を送りたいと思います。(調査主任のSさんは、十三湊遺跡に青春をかけ、未だ独身です。花婿募集中です!)
船着き場の可能性の高い杭は5本発見されていて、このうち西端の1本には、木の皮で編んだで作ったと思われる幅が約6cmの縄が巻き付けられていました。拡大写真を掲載してありますので、類例をご存知の方はご教示願えれば幸いです。
今回の港湾施設の発見について、富山大学の前川先生は「弥生時代や江戸時代の港湾施設は見つかっているが、中世のものは初めて。今回までの調査で礫層が南北約200mにわたることを確認している上、木杭が他にも出土していることから、船着き場は何カ所かあったと思う」(読売新聞より)と話しているという。
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▲遺跡位置
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▲遺跡上空から南を望む
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▲見学風景
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▲青森県調査区-港湾施設検出
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▲杭に巻かれた縄
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▲縄の拡大-1
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▲縄の拡大-2
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▲木杭列
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▲護岸施設-杭で留めてある
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▲礫層
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▲調査主任のS嬢
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▲調査補助員の○○さん-お父さん頑張っています
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▲市浦村調査区-領主館周辺の調査
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▲集石跡
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