第5回目 青森市近野(ちかの)遺跡 (縄文時代中期)

 近野遺跡は、青森市の西部に位置し、国史跡の三内丸山遺跡と隣接しています。むしろ、一緒の遺跡と考えた方が理解しやすいかも知れません。今から4,000年くらい前の縄文時代中期の遺跡です。
 この遺跡からは昭和53年度の発掘調査によって、長さ19.5m、幅7mの小判形をした大型住居跡が発見されました。下の写真で、人が立っているところが柱穴のあった場所です。深さも人がすっぽり入ってしまうくらいですから、その大きさの程が想像できようと言うものです。今でこそ、このくらいの規模の住居跡はそんなに珍しくなくなりましたが、当時は縄文時代にこんなにも大型の住居跡があると言うことで話題となりました。
 当時、この大型住居跡はムラの集会場、あるいは共同作業場などと考えれていましたが、その後、大型住居だけの集落跡が発見されるなどして、その性格の再検討を迫られています。


住居配置図
大型住居跡
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