第3回目 蟹田町大平山元(おおだいやまもと)遺跡群(旧石器〜縄文草創期)

 青森県の津軽半島の中程に、太宰治の「津軽」にも登場する蟹田町があります。この町の西はずれに、旧石器時代(約16,000年前)から縄文時代草創期(約13,000年前)にかけての遺跡群があります。
 大平山元2遺跡は八幡宮境内にあり、約16,000年前の人々の生活の様子が残されていました。石で囲った炉の跡、石蒸し料理に使った焼けた石、数多くの石器などが見つかっています。今でも、境内の地表面からは、当時の石器のかけらなどが顔を出しているときがあります。また、付近から、今でも石器の材料として、良好な頁岩を採取できます。
 一方、大平山元1遺跡からは、多くの旧石器時代特有の石器と共に、文様の全くない親指大の土器片が30点程見つかっています。この無文土器は、青森県内では、最古の土器と考えられています。また、この土器を日本最古の土器と考える人もいますが、結論は出ていません。

(付近の地図はこちらです。)
大平山元2遺跡の石器など
大平山元1遺跡出土の無文土器・石器