青森県十三湊遺跡発掘調査報告書VIII-PDFファイルの公開

 中世の港湾都市として推定されている日本海に面した市浦村十三湊遺跡の第151次〜154次発掘調査及び山王坊遺跡の発掘調査の発掘調査概要書は、平成15年3月に青森県教育委員会から刊行されました。しかし、印刷部数が500部と少ないため、報告書を必要とする全ての方々に十分行き渡っているとは言えないような状況です。

 そこで、印刷元の東北印刷工業株式会社(青森市合浦一丁目2-12 電話017-742-2221)さんのご協力により、Web上でも公開できるPDFファイルを作成していただきました。全体の容量は0.6Mで、24ページ余りの発掘調査報告書全体を文章、図版、写真、表など全ての要素について閲覧できます。プリンターで印刷しても、比較的高品位の印刷が可能であるので、手間暇をいとわなければ、手作りの発掘調査報告書を入手できるという利点もあります。気軽にダウンロードしていただいて、大いに活用していただければ幸いです。tosaminato-8.pdf(0.6M)

 なお、公開に当たっては、青森県教育委員会文化財保護課埋蔵文化財グループの承諾を得てあることを申し添えます。



 十三湊遺跡は北日本を代表する全国でも有数の中世港湾都市遺跡として推定されていましたが、これまでは文献資料も少なく、十三湊遺跡を拠点に活躍したとされる安藤氏とともに謎に包まれていました。
 しかし、1991年から1993年の3 ヵ年にわたる国立歴史民俗博物館の調査によって、十三湊遺跡が大規模な都市計画をもった中世の港町であることが分ってきました。
 このように、十三湊遺跡は日本の中世史を解明する上で重要な遺跡であることから、青森県では遺跡の早期の実態解明を目指し、平成7 年度から地元の市浦村と協力して発掘調査を行い、遺跡の全体構造の把握に努めており、今年で8 年目を迎えました。
 本年度は、遺跡南端部に位置する隠居地点(伝檀林寺)と呼ばれる寺院跡に推定されている場所と、遺跡中央の土塁南側に位置する宗教施設地区の2 ヶ所で発掘調査を実施しました。隠居地点(伝檀林寺)では、土塁跡や墳墓などが確認され、大規模な施設があったことが分りました。
 十三湊遺跡の発掘調査成果が今後各方面の研究に活用され、また、地域社会の歴史学習や地域住民の文化財保護意識の高揚につながることを期待します。
 最後になりましたが、平素より埋蔵文化財の保護に対し御理解と御協力を賜っている市浦村教育委員会、また、発掘調査の実施と報告書の作成に当たり御指導、御協力を賜りました関係各位に対して、心から感謝の意を表します。

平成15年3 月
青森県教育委員会
教育長花田 隆則



例 言
目 次
第I章 はじめに…………………………………………………………………………1
第1 節 調査に至る経過とこれまでの調査成果……………………………………… 1
第2 節 調査要項………………………………………………………………………2
第II章 第151次調査区の概要…………………………………………………………4
第1 節 調査前の知見と調査の目的…………………………………………………4
第2 節 検出遺構と出土遺物…………………………………………………………5
第3 節 調査成果と今後の課題………………………………………………………6
第III章 第152次〜第154次調査区の概要……………………………………………10
第1 節 調査の目的と方法……………………………………………………………10
第2 節 第152次調査区………………………………………………………………10
第3 節 第153次調査区………………………………………………………………11
第4 節 第154次調査区………………………………………………………………11
第IV章 山王坊遺跡の調査の概要……………………………………………………14
第1 節 調査の目的と方法……………………………………………………………14
第2 節 調査の概要……………………………………………………………………14
引用・参考文献…………………………………………………………………………16
写真図版………………………………………………………………………………17
報告書抄録……………………………………………………………………………23


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