青森県の東側にまさかりの形をした下北半島があるのはごぞんじだと思います。その半島の付け根近くの野辺地町(のへじまち)向田(むかいだ)遺跡から、今からおよそ5000年前の木で作られた厚さ約3mmの容器が2000年9月に発見されました。

 木製容器の大きさは、長さが約13cm、幅が8cm、深さ約3cm で、写真にあるように手にすっぽり乗ってしまうくらい小型です。ふちの一部が欠けていますが、その他はほとんど無傷です。案内人も手に持たせてもらいましたが、とても軽く、しっかりとした作りになっています。おそらく、縄文人が石器で中をくりぬいて作ったものでしょう。内外面とも黒色をしていますが、この色は素材の色とは違っていますので、おそらくウルシを塗ったものの色と思われます。発見した田中寿明(たなかとしあき)さんは「これまで見つかった同じ時代のものは、厚さが4、5mmほど。こんなうすいものはめずらしい」と話しています。なお、動画(QuickTime)-ぐるぐる写真-もありますので、お楽しみください。
モstart

 最後に、遺物の見学に心配りをしてくれました野辺地町歴史民俗資料館館長補佐の駒井(こまい)さんには、この場をおかりしてあつくお礼申し上げます。

※このページにはQuickTime(クイックタイム)が使われています。下記から入手していただくとブラウザで見ることができるようになります。


遺跡の場所

左の拡大

木製容器

内面

底面

はじっこ

ふちの拡大(内面との色の違いに注目)

はじっこの拡大


ホーム