船 の 博 物 館
「みちのく北方漁船博物館」


 国の重要有形民俗文化財67隻を中心に130隻の木造船を収蔵する日本で最大の漁船の博物館です。1999年7月21日に開館したピカピカの博物館です。

 
 
青森県や北海道にかけての地域で、古くから使用されていた「ムダマハギ」型漁船。これは、船の発達や地域による特徴を知る上で大変貴重なものですが、急速に姿を消しつつあります。
 こうした木造船を収集・保存し後世に伝えるために「みちのく北方漁船博物館」を設立しました。国指定の重要有形民俗文化財のムダマハギ型漁船コレクション67隻を含む130隻の木造船やさまざまな漁具、世界の帆船などを展示しています。(左はマルキブネ)

 

 和船の構造は、一本の木から造られた丸木船から、丸木船の様式を残したムダマハギを経て、シマイハギ(4枚接ぎ)へと独自の発達を遂げ、最も進化した構造を持つものは、弁財船と呼ばれる船です。弁財船の中でも日本海を中心に航行したものが北前船です。ムダマハギ型の船は北日本特有の構造を持ち、民俗学的にも貴重です。
(右は津軽海峡周辺のムダマハギ型漁船)

(左はシマイハギ型漁船)

 

 

 



ご利用案内
●開館時間/3月15日〜12月15日 8:30〜18:30  (期間中無休)
●休館日/12月16日〜3月14日(原則として休館としますが、見学をご希望の方は前日までに電話予約をお願いいたします。)
●入館料/一般200円  大・高・中・小学生100円
●所在地/〒038-0002 青森市沖館二丁目2-1
     電話0177-61-2311
●交通/バス-青森市営バス 油川、野木和団地、後潟線にて 沖館中通りまたは沖館消防分署前下車、徒歩約10分 タクシー-青森駅西口より5分

 


 ざっと、館内の大まかな雰囲気をご紹介しましょう。ようやく、開館日に間に合わせたせいか、あちこちでまだ工事中の張り紙があり、トイレは故障中で、屋外の簡易トイレを使用願っていました。館内はガラス張りのせいか、かなり明るく、船を展示するのにぴったしの雰囲気でした。解説員の方が数名おり、ハンドマイク片手に見学者に丁寧な解説を施していました。会場にはご高齢の方がかなり多く、以前漁業に従事されていた方が懐かしそうに展示品の船を眺めているのが印象的でした。また、30mの展望台からの眺めも格別です。
 博物館の駐車場前は、格好の釣りの場所となっていますので、釣りがてらに博物館を見学されるのもいいかもしれません。

博物館外観

北前船模型(1/4)-正面

北前船先端部

北前船内部

各種漁船

模型船の操縦

 次は船の装備品や船大工道具が展示されているコーナーを紹介しましょう。

 昨今は強化プラスチックのFRP船がほとんどで、和船の需要はほとんどないようです。したがって、昔ながらの船大工さんや船鍛冶さんもほとんどいらっしゃらなくなったようです。寂しいことですが、これも時代の流れなのでしょうか。そういえば、20年に一度遷宮を行う伊勢神宮で、神宮の造営に必要な和釘を地元で調達できなくなり、遠く新潟県三条の鍛冶師さん達に仕事がゆだねられたそうです。

 このような意味からも、船の博物館が和船を収集し、展示しその歴史・技術などを後生に伝えていこうとすることは、大変時節を得たことと思われます。

装備品の数々

船大工道具-鋸など

船大工道具-ノミなど

船大工道具-カンナなど

船大工道具-キリなど

船大工道具-釘など


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