青森県の遺跡数の移り変わり


 青森県内には現在、4100箇所余りの遺跡が確認されています。遺跡は元々、地中にあるので、表面からはなかなか見つけることが出来ません。かろうじて、畑や工事現場の切りとおしなどの、人間の手が加わった所で土器のかけらなどとして発見されます。30年ほど前には約1000箇所の遺跡しか発見されていなかったのに、今ではその4倍程に増えています。もちろん、地中で遺跡が自然繁殖することはありませんから、多くの人たちの努力によって、それまで知られていなかった遺跡が発見されたことによるものです。

 (「青森県の文化行政」参照

 青森県には67市町村がありますが、各市町村で発見されている遺跡数には大きな隔たりがあります。遺跡数最大の市町村は上北郡東北町で355(平成9年3月現在)の遺跡が確認されています。これは平成3・4年度に町教育委員会が町内の遺跡分布調査を実施し、新たに数百の遺跡を発見したことによるものです。町内に住む在野の考古学研究者と町の共同作業によるものです。現在発見されている市町村毎遺跡数には地元研究者の有無と密接な関連があります。例外はありますが、遺跡が数多く発見されている市町村には埋蔵文化財専門職員あるいは在野の考古学研究者がいると見て良いでしょう。遺跡の多少は文化財保護行政のバロメーターとも言えます。


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